福田稔
福田稔
パートナー / 東京オフィス

新刊書籍「2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日」を東洋経済新報社より発行いたしました。

本書は、令和の時代に日本のアパレル産業が再度成長を遂げるためにはどうしたらよいかという難しい問いに対し、真剣に向き合った本となります。

国内アパレル市場は足元こそインバウンド需要などもあり持ちこたえておりますが、10年スパンで考えると、単価の下落や少子高齢化の影響、テクノロジーを活用するプレイヤーの躍進により、厳しいと言わざるを得ません。バブルのピーク時は約15兆円あった市場は足元約9兆円となり、2030年には7兆円を割り込む可能性もあります。

一方、世界のアパレル産業は成長産業であり、約150兆円の市場が広がっています。海外には大きな成長のチャンスがありますが、国内アパレルで海外展開できている会社は限られます。多くの日本企業がガラパゴス化した国内市場にしがみつき、微差の消耗戦を繰り広げています。

日本という国を振り返ると、魅力ある川上・川中の産地や職人、クリエイターを刺激する独自性の高い文化、四季折々の美しい自然など、文化産業であるアパレル産業を振興するには不可欠なピースが揃っています。これらを繋ぎ、独自性のあるブランドやビジネスモデルへと昇華させることができれば、必ずや世界に通用するファッションビジネスをもっともっと創ることができると思います。

本書は、「日本のアパレル業界がいま行うべきこと」について、ラグジュアリー・トレンド・マスという価格帯別に捉え、その処方箋を多面的に考察しております。第1章から第4章までは、いま世界と日本で起こっていることを俯瞰的に捉え、特にAIなどのデジタル化がもたらす業界への影響について、最先端の事例を豊富に取り上げながら分析しました。第5章では、日本の先を行くアメリカの動向を見ながら2030年の消費市場がどうなるかを検討しています。そのうえで最終章では、国内アパレルの再成長に向けた鍵について、教育や政策面の改革まで含め考察しました。

本書には、アパレルの未来を考える材料、アイデア、事例が沢山詰まっています。本書が国内アパレル産業の再成長に向けた一助となれば幸甚です。

【本書の構成】
第1章      まずは「アパレル不況」を正しく理解する -「成長する世界」と「停滞する日本」の真実
第2章      アパレル業界で進む、デジタル化がもたらす10の本質的変化
第3章      AI(人工知能)はアパレル産業をどう変えるか
第4章      世界の最先端では何が起こっているか -グローバルではここまで進んでいる
第5章      2030年の消費市場は、どうなっているのか
第6章      結局、今後の10年間で、国内アパレル産業はどう変化し、いま何をすべきなのか

発行元:   東洋経済新報社
発行:   2019年6月21日

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