福田稔
福田稔
プリンシパル / 東京オフィス / +81 3587-6660

未来構想は常に難しい。なぜなら、テクノロジーや地政学など不確実性が高く、かつインパクトの大きい因子が存在し、未来のシナリオには様々なオプションがあるからだ。

一方で、インパクトが大きいが不確実性が低い、すなわちほぼ確実に予測できる因子もある。その代表例が人口動態だ。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2010年に約1億2800万人だった日本の人口は、2030年には1億1600万人にまで減少する(出生中位・死亡中位の場合)。そして、実にその1/3近くが65歳以上の高齢者となる。

そこまでの過程で、2023年には団塊ジュニア世代が50代となり企業の人件費はピークを迎え、2024年には団塊世代が75歳以上に突入し、社会保障費の増大が日本の大きな問題となる。増税により現役世代の可処分所得は益々減ることが予測され、共働きで世帯収入を維持していた家庭も介護離職を余儀なくされるケースが増えるだろう。

また、シニアの消費性向は現役世代と異なり、旅行や外食といったコト消費の割合が高く、衣服や家電などのモノに対する消費割合は低い。このような中で消費者の1/3がシニアとなると消費市場の構成が大きく変わってくる。内需に頼っている消費財企業や小売り業の多くが大きな影響を受けるだろう。

このように人口動態の変化に伴う国内消費市場の構造変化は、ほぼ確実に予測できる因子である。目先の東京オリンピック前後までは、様々な社会問題が表面化するまでの幸せな過渡期に過ぎない。消費財・流通企業は、2030年までの環境変化を見据えたトランスフォーメーションを今求められているのである。

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