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  • リスクマネジメント
2020.04.16

リスクマネジメントにおける「パンデミックであるがゆえの難しさ」とは?

小野塚征志
小野塚征志
パートナー / 東京オフィス / 03-3587-6660

リスクマネジメントというと、地震や水害といった自然災害を念頭に置いたものが多い。新型コロナウイルス感染症の流行も、リスクマネジメントの対象とすべき危機的事象の1つではあるが、その対応にはパンデミックならではの難しさがある。

第一に、最終的な被害の見通しが立たない。例えば、中国は既にピークアウトしたといわれているが、様々な規制が緩和されることで再度の流行に至る可能性もある。現時点では誰も予見できないからこそ、状況の変化に即して柔軟に対応しなければならない。最初に被害のピークが来る自然災害と違って、先を見通す力が問われるわけだ。

パンデミックであるがゆえの難しさはもう1つある。それは、地域ごとに足並みを揃えなければならないということだ。例えば、ある地域で新たな感染者が減ったとしよう。ある会社がいち早く事業を再開したとして、その結果として感染者が再度増加に転ずれば元の木阿弥となる。社会的に問題があるだけではなく、その会社のレピュテーションも大きく低下する。とにかく復旧を成し遂げればよい自然災害とは異なる対応が求められるわけだ。

全世界的な被害であるがゆえに、業界内で連携を図ることも重要である。自社だけではなく、調達先や納品先も生産活動を再開・継続しなければ、サプライチェーンは復活しない。調達先や納品先だけではなく、競合他社とも協力することで、円滑な復旧に努めるべきだ。

地域・業界での協調を図るにあたり、政府や自治体、業界団体などの果たす役割は極めて大きい。ピークアウトの目処が立った際には、どのタイミングで、どこまでの復旧を実現するのか、その基準とマイルストーンを示すべきだ。企業としても、業界団体に働きかけるなり、取引先や競合他社と情報を共有するなりして、歩調を整えられる工夫を講ずるべきである。

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