• マネジメント

リモートワーク時代のマネジメントパンデミック終息後の働き方における経営

RolandBerger 編集部
RolandBerger 編集部
/ 東京オフィス

Article by Geoff Poulton
Illustrations by DAQ Studio

(Think:Act Magazineより翻訳・編集)

 

2020年、世界中で急激に普及した「リモートワーク」。パンデミックが終息した後の、ニューノーマルな働き方はどうなっていくのだろうか。その中で、経営者やリーダーはどのように組織をマネジメントしていけばいいのだろうか。

パンデミック以前の働き方には戻らない

 

ロックダウンが緩和しても、多くの企業はリモートワーク制度を継続している。GoogleやFacebook、Twitter社は、従業員の多くにリモートワークを認めている。

Global Workplace Analyticsが行ったCovid-19以降に関する世界的な調査によると、回答者のうち94%が将来的に少なくとも時々は自宅で仕事をしたいと考えていることがわかった。また、回答者のうち3分の2は、自宅での仕事が「非常にうまくいっている」と答えている。

ハーバード・ビジネス・スクールの経営学教授で、近刊『Remote Work Revolution』の著者であるTsedal Neeley氏は、「これは歴史的な変化です。いずれ戻ると考えている方もいるかもしれませんが、私たちは “コロナ以前 “には戻りません」。

リモートワーク・マネジメントで気をつけなければならないこと

 

一方で、ニューノーマルな働き方への移行は、そう簡単ではない。多くの企業では、リモートワークとオフィスワークの最適なバランスや、リモートワーカーのマネジメント方法、効果的なコラボレーションを促進することに、頭を悩ませている。

「これらは、ある程度習得に時間が必要です。放任しすぎてチームメンバーを迷子にさせてしまう人や、マイクロマネジメントで部下たちにストレスを与えてしまう人もいるでしょう。リーダーたちは、学びながら改善していくしかありません」(Tsedal Neeley氏)

マネージャーの多くは、見えない社員たちの生産性をどう維持すればいいかわからず、不安を感じているとNeeley氏は言う。企業によっては、従業員が居眠りをしていないかどうかを確認するために、キーストロークを監視したり、オンライン上の行動を追跡したりしているところもある。

「それは無意味です。私たちは、意義ある目標と役割を明確にしてくれる“マクロ・マネジメント”を必要としています。“プロセス”ではなく“結果”で評価することを学ばなければなりません」(Tsedal Neeley氏)

リモートワークを成功させるためには、「信頼」と「自律性」が最も重要な要素なのである。

リモートとオフィスを効果的にかけ合わせる

 

リモートワークを行う上で最も難しい点の一つは、適切なコミュニケーションの取り方。チームメンバーが週にどのくらいの頻度で定例のオンライン会議をするべきか、メールやチャットなどシチュエーションごとのツールの使い分け方を議論する必要がある。

オンライン会議では、非言語的な合図を見逃してしまい、混乱やフラストレーションが生じてしまう。また、リモートワークは、スピードと生産性を高めることができるが、創造性やイノベーションは、face to faceでのコミュニケーションの方が向いている。

パンデミック後は、リモートワークとオフィスワークを使い分けて、両方の世界を最大限に活用することになるだろう。世界的な調査会社であるGartner社によると、従業員の約半数が少なくとも就業時間を部分的にはリモートで仕事をすると回答している。

オフィスはコミュニティの場に

 

では、オフィスはどう変化していくのだろうか。 オフィスデザイン会社であるUnispace社のデザイン部門のグローバルディレクターであるSimon Pole氏は、企業はオフィスの設置面積の20〜30%を返還するだろうと見通している。一方、残された部分は20〜30%改善されるだろうと彼は言う。「伝統的に、私たちはオフィスを広大な机を中心に計画してきました。これからは、チームを集めて知識や知恵を共有することが重要になります。」

問題解決、イノベーション、交流の場としてのコミュニケーションスペースへの需要はすでに高まっている。ミーティングスペースは、よりカジュアルな空間になるだろう。

商業用不動産サービス会社であるCushman & Wakefield社のビジネスパフォーマンス部門の責任者であるDespina Katsikakis氏はこう言う。

「オフィスは、ブランド文化や価値観をより強く体現するものになり、顔の見えない灰色のパーティーションや会議室は、姿を消していくでしょう。そして今後は、体験、イベント、イノベーション、コミュニティに、より焦点が当てられるでしょう」

近未来のオフィス(駐輪場・シャワー設備/エレベータや照明の音声操作/空調の改良/抗菌性建材/コラボレーションスペース/自販機やロッカー用のアプリ)

 

都心の高額な不動産を削減することは、私たちの生活や仕事の仕方をより根本的に変えることにもつながる。都心のオフィスに定期的に通うのではなく、徒歩や自転車で地域のコミュニティ・ワーク・ハブに行き、同僚や他のリモートワーカーと共に仕事をするという形も増えていきそうだ。

 

リモートワークはすべての人に向いているわけではなく、いずれパンデミックが終息したとしても、オフィスでの日常的な交流や仕事とプライベートをわけたいと考える人もいる。しかし、20世紀の対面にこだわる働き方は終わった。会議の多くはメールで済ませることができ、会議の一部はオンラインで見ることができたのである。

従業員に大きな自由と柔軟性を与えることで、より幸せになり、より生産的になる。

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