【国際女性デー】インタビュー:努力が報われる社会をつくる

RolandBerger                            編集部

RolandBerger 編集部

3月8日の国際女性デーを祝い、当ファームで活躍している女性プリンシパルの横山浩実さんにインタビューを行いました。

Q: どんな社会づくりを目指して働いているか?

努力が報われる社会をつくる

 
“恵まれた環境と恵まれた能力を、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういう人々を助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。”

2019年の東京大学の入学式で、上野千鶴子教授が祝辞として語ったセリフの一部です。

「機会をいかし、努力をし、よりよい生活をする」

これは、人として目指すべきもの、と考えるケースが多いかな、と思いますが、格差が広がってきている今日この頃、正の循環を作れず、負の循環から抜け出せない人も増えてきています。これは、社会制度や環境が足枷になり本人のスキル等では何ともできない場合が多いにも関わらず、そこの部分が見過ごされ、結果として、どんどん格差が広がる社会になっていると感じています。

ノーブレス・オブリージュというと少々偉そうな発想になってしまいますが、「あなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれた」人生は、現在は万人が享受できるものではないこと、そして、このような人生を皆が歩めるようになる世界をつくっていきたいな、と思っています。

Q: 何に興味があって、現職に就いたか?

デジタルで社会課題を解決。デジタル庁での非常勤職員との両立

 
学生時代は機械工学を学んでいました。技術が世の中を変えていくドライバーになること、そして企業・産業を成長させるためには、その技術を適切にビジネスとつなぐことの重要性を感じ、ビジネスと技術をつなぐ役割を果たせる仕事に従事したく、ITコンサルタントになりました。

当時ソフトウェア技術が進化し、様々な局面でデジタル活用が着目される状況であったため、ユーザーや企業にとっての価値向上だけでなく、社会全体の価値向上の観点からもどのようにデジタルを作るか、どのように業務システム最適化を図るかという検討が多く行われ、結果、公共機関向けのコンサルティング案件をメインに担当することになりました。

公共機関の活動のゴールは、社会課題の解決です。税収に基づく施策実行であり、ROIは求められますが、いわゆる「収益」がゴールではないため、KPIが定めにくい領域です。日本はグローバル競争の観点が弱く、国内に閉じがちなのですが、グローバル企業で働く中、ガラパゴス化しないこと、グローバルスタンダードを適切に活用することを意識して、様々な社会課題にデジタル解決を提案・実行してきました。自らのオファリングで社会課題を変えることにも挑戦してみようと考え、ソフトウェア会社に転職し、市場開拓なども行いました。

2020年秋に、日本政府は1年後にデジタル庁を創設し、同機関が中央省庁及び自治体の行政DXをリードすること、そして、民間人材を非常勤人材でアドバイザーとして雇うことを決めました。これは私にとって、民間企業で働きつつ、直接的に行政DXに貢献できる機会と考え、このポジションに応募し採用いただきました。

直接的に行政DXに貢献しつつ、民間企業で働くことが相乗効果を生めるのは、ソフトウェア会社ではなくコンサルティングファームであると考えました。ITコンサルティングファームではなく、戦略コンサルティングファームでデジタル×経営領域に貢献することが、様々な観点から「社会課題解決をデジタルで」を実践するのに効果的ではないかと考えて、2021年5月にローランドベルガーに入社しました。

Q: ワークライフバランス・子育てと仕事を両立するために意識していること

家族は同級生の夫と、高校生の娘の3人です。ちょうど本日、娘の高校の卒業式でしたので、子育てはひと段落ついた、といった状況です。

これまでも、これからも、子育てや家事は、仕事同じく「チーム」で行うもの、と考えています。夫とどのように分担するか、お互いの得意分野もありますし、「世間の目」も気になりますが、お互いを思って自分本位にならず合意できる線がどこかを話し合い、臨機応変に見直すようにしています。

また、子育てや家事と仕事をどのようなバランスで行うのか、何を重視するか、というのは、その時々の状況で柔軟に考えるようにしています。流動的でかつ大きく技術の進展が起きている今日、どのように働くのか、どのようなキャリア形成するのかを将来を見越して決めることが難しいからです。

このようなワークライフバランスを保つために意識していることは3つ

・反省するけど後悔しない
・選択と集中
・今日やらないことは一生やらない

最初のトピックに関係しますが、誰にとっても「努力が報われる社会」は、失敗が許容され、それを糧に成長できる環境だと思っています。自身でも実践したいと思いますし、チームのメンバーも挑戦できる環境を作りたい、さらには、そのような世の中にしていきたいと思ってます。

どのように仕事をし、そして、同時にどのように子育てにコミットするか。子供を持つ前から全てを考えられている人は皆無だと思います。むしろ、多くの人は、子どもを持ってみて初めて制約に気が付いたり、もしかしたら子供を持つ前には目をつぶっていた現実に気が付いたりするのが実態で、暗中模索な日々を過ごすケースも多いのではないでしょうか。

私は、育児しながら自分らしく働けるようになるためには、育児休業中であっても、時には育児を誰かに託してでも、自分の将来設計する時間がしっかり取れるような取り組みが、本人にとっても、パートナーにとっても、そして雇用する会社にとっても重要ではないかと考えています。そして、育児休業復帰後は、しっかり考えた将来設計を基本としつつ、その時々の子育ての状況や自身のスキル形成の意欲、そして、世の中の状況に合わせて柔軟に制約や現実に対処していくことが、VUCAな時代を楽しく生き抜くのには重要だと思っています。そんなことを考えながら、チームメンバーのサポートを行っており、そして、それが「当たり前」の世の中にしていきたいと思います。

「ローランド・ベルガー Diversityプロジェクト」 については、こちらをご覧ください。


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