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2020.05.12

新型コロナウイルス 生活者の価値観・消費行動・働き方はどう変わるか

2020年5月、東京発-ローランド・ベルガーは、最新スタディ「新型コロナウイルス 生活者の価値観・消費行動・働き方はどう変わるか」を発表いたしました。本スタディでは、今回のウイルス感染拡大によって生活者の価値観にどのような変化が生じ、それが消費行動と働き方にどう影響するかを見通すことで、企業活動に対する示唆を抽出しています。
弊社はこれまでも、新型コロナウイルスに関して「アパレル・化粧品市場に与える影響と採るべきアクション」「世界経済へ与えるインパクト」といったレポートを公開してきました。

今回新たに、新型コロナウイルスの影響を包括的に分析したレポートを全5本、無償で公開します。この「生活者の価値観・消費行動・働き方はどう変わるか」はその1本目となります。
弊社としては、今回のウイルス感染拡大により多くの日本企業が深刻な打撃を受ける中で、各企業が当面の危機を乗り越えるとともに、前例なき変革の波に柔軟に対応することで更なる成長に繋げられるよう最大限の支援をしたいと考えています。
本レポートが事業の意思決定の一助となり、広く日本社会に貢献できれば幸いです。

要旨
新型コロナウイルス(以下COVID-19)の感染拡大に伴い生じた非連続的な事象を背景に、生活者に新たな価値観が生じ、Post COVID-19においては、従前と異なる生活行動(消費行動や働き方)が定着化してゆくだろう。
そしてこの変化は企業活動にも大きな影響を与え、各企業は対応を迫られることとなる。
今回、弊社は生活者の「価値観の変化」をまず見通し、それが「消費行動」と「働き方」の変化にどう繋がるかを予測した。

図: 本レポートの主な構造

そもそも日本の消費者クラスターは、~2000年頃までは大きく年齢×所得で把握することが可能であったが、足許の経済格差拡大や新たな消費・生活サービスの登場を背景に多様化が進行している。
弊社は、独自フレームワークであるRB Profilerを用い、消費者の価値観を可視化してきた。結果として、2025年にかけて大きく8つのセグメント(ライフスタイル追求層、伝統重視・保守層など)に分化していくと考えている。

この従来から続く消費者の多様化の潮流に対して、新たにCOVID-19に伴い生じたファクター(健康・予防意識の向上や経済的不安の増長、生活自由度の低下、社会連帯意識の強化など)が影響し、次の6つの価値観の変化をもたらしている。

① 安全・安定志向: 健康・予防を意識した行動をとる、プライベートでの拠り所を希求する
② 節約志向: 不況の長期化を見据え、支出を切り詰める
③ 本質追求志向: 目的の達成のために、より効率的な手段を選択する
④ イエナカ充実志向: 在宅生活の多様化と、そのための積極的な投資を行う
⑤ 家族志向: 家族のことを第一に考えた時間の使い方、消費行動をとる
⑥ 社会協調志向: 公共/社会貢献意識に即して行動する

今後、第2波の到来等、COVID-19影響の長期化が見込まれる中で、価値観・行動の変化は一時的なものに留まらず、Post COVID-19においても生活者の中で定着していく可能性が高い。
この価値観の変化が、消費行動と働き方の変化として表れるだろう。

消費行動の中でも、生命維持のための緊急度・生活維持の観点からの必要性に応じ、衣・食・住・遊それぞれの消費行動への量的インパクトは異なる。不要不急度の高い「衣」の打撃が特に大きく、外食利用減が見込まれる「食」もインパクトが大きい。他方、「住」や「遊」はイエナカ需要により伸びる領域もあるが、不況が長引く場合、「住」は不動産の需要減少や相場の下落によるインパクトが大きい。
一方、消費者の価値観変容に付随して新たな質的変化のトレンドが発生している。具体的には衣(例:ビジネスウェアの変化)、食(例:テイクアウト・デリバリー文化の発展)、住(居住地 / 住居への意識変化)、遊(例:在宅アクティビティ・コンテンツ需要の増加)、インフラ(例:非接触 / キャッシュレス決済への移行)の各領域における変化として表れる。
このように消費行動は全体的に量的な低下を見込む一方、COVID-19に伴う消費者の価値観の変容を背景に、消費目的や消費対象に質的な変化が生じる。

また労働者は、COVID-19に伴う非常事態の中で新たに生じた価値観に基づき、自らに最適なキャリアを志向するだろう。
具体的には、職業選択・キャリア観(例:ワークライフバランス志向の強化)、働き方(例:リモートワーク/フレックスタイムの定着)、組織制度(例:パフォーマンス・ベースの評価の徹底)、インフラ(例:利便性強化のためのオンラインツール利用加速化)の観点から、働き方に変化のトレンドが発生する。
労働者の意識変化を背景に、企業は各社員に最適化した労働環境の提供、行政は各企業の柔軟な対応を可能にする仕組み・制度作りを通じて効率性を上げ、従来同様の企業・経済活動の継続を志向する。
そして一部の先進的な企業の取り組みが、企業活動を通じてその周辺に広がることで、日本全体を巻き込む大きな潮流となってゆく。
このように、新たな価値観を背景とした人々の労働への意識変化が、企業・行政の体制・環境変革を促し、結果として日本全体の労働生産性引き上げに貢献し得る。

以上のように、COVID-19に伴い生じる消費行動や働き方の変化は、企業活動においてはBtoC(対消費者)やBtoB(対取引先)、さらには企業内の環境整備(対従業員)まで様々な側面において影響を及ぼし、各企業に変革を迫るだろう。

※本スタディはこちらよりご覧ください

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