2020年6月、東京・上海発-ローランド・ベルガーは、中国消費財・流通市場に関する最新スタディ「中国消費者の今 Post COVID-19における中国市場での成功の鍵」を発表いたしました。本スタディでは、これまでの日系消費財・流通企業の中国市場における苦戦を踏まえ、Post COVID-19における中国市場・消費者の変化を見据えた、企業活動に対する示唆を抽出しています。

弊社はこれまでも、新型コロナウイルスに関して、日本市場を対象とした「アパレル・化粧品市場に与える影響と採るべきアクション」「新型コロナウイルス 生活者の価値観・消費行動・働き方はどう変わるか」といったレポートを公開してきました。

要旨
日系消費財・流通企業の多くが昨今中国事業で苦戦しており、特にアパレル・小売でその影響が顕著と言える。中国市場における苦戦の背景には、大きく6つの要因が存在するが、中でも「中国消費者の理解不足・変化への対応の遅れ」がトリガーとなっていると見立てる。日系消費財・流通企業にとっては、中国消費者への理解と変化への対応が巻き返しに向けた出発点となる。

図: 中国市場における苦戦の背景

それでは、より深い消費者の理解、変化への対応に向けて今後日本企業が押さえるべき中国市場・消費者のトレンドは何だろうか?
今回、弊社は消費者の多様化の進展、OMO(Online-Merge-Offline: オンラインとオフラインの融合)の拡大、COVID-19による変化の増幅の3つのトレンドに着目した。

図: 着目すべき3つのトレンド

弊社独自フレームワークであるRB Profilerを用い、消費志向を可視化した結果、中国人消費者は大きく8つの価値観セグメントに分類が可能。(快楽主義層、コスパ重視層、消費志向層、ライフスタイル追及層、先進エリート層、独立志向層、人間・家族重視層、合理主義層)
これらに加えて、急速な経済発展に伴い、各消費者の居住都市や年齢・世代といったデモグラによって消費性向や利用チャネルにも変化が見られるため、価値観軸×デモグラ軸での細かなメッシュでのセグメンテーションが重要となる。

足許中国では、他国と比較しても消費行動のOMO化が急速に進行している。その背景には、政府保有の情報を含む充実したデータインフラの存在と、モダンリテールとデバイスの同時進行的発展に伴うデジタルを活用した消費行動の生来的な普及が挙げられる。結果、中国消費財・流通企業の中にはリアル・デジタルを巧く融合させた先進的な取り組みを行うプレイヤーも多く、更なるOMO化を消費者・企業に促すトリガーとなっている。

今回のCOVID-19の影響により、上述2つのトレンドが増幅していくことが見込まれる。非連続的な事象の発生に伴い消費者の多様化は進み、一部では経済的な豊かさより本質的な「安全・安心」であるサステイナビリティへの嗜好性が高まってゆく。加えて、外出禁止等の生活制限は、消費行動のOMO化を促進し、ライブコマースをはじめとしたコミュニケーションチャネルの浸透で中国ならではの発展を遂げつつある。斯様な市場の変化に対し、一部の中国企業・欧米企業はいち早く対応しリベンジ消費の波を享受できている。

今後、これらのプレイヤーと日系プレイヤーとの間でより一層明暗が分かれていく可能性もあり、日系プレイヤーには、中国市場・消費者のトレンドが自社事業に及ぼすインパクトの見極めと、迅速な対応強化が求められている。

※本スタディはこちらよりご覧ください

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