消費財・小売

Withコロナ時代のアパレル市場の展望

2022年8月、東京発-ローランド・ベルガーは、アパレル業界の最新動向に関するスタディ「Withコロナ時代のアパレル市場の展望」を発表いたしました。本スタディでは、アパレル業界で今起こりつつある5つの変化を分析し、勝ち残りに向け必要となるアパレル経営の要諦について示唆を抽出しています。

要旨
足元の市場競争環境
COVID-19以前より停滞していた国内アパレル市場は、COVID-19により約16%縮小。かつAfter COVID-19での従来水準持ち直しも見込まれていない

・日本の家計におけるアパレルの購入単価は、従来より減少していたが、2020年には更に10%近く減少
・また、米英等と比較して、日本は足元の一人当りアパレル支出額の回復ペースが特に遅い(図1)
・娯楽的アパレル消費ではなく、必要に駆られた消費が目立つ

図1:主要国の一人当たりアパレル支出推移

今起こりつつある5つの重要トレンド
アパレル市場では、5つの大きな変化が既に起こりつつある。従来通りの製品・サービスでは、停滞する市場と共にアパレル企業も沈んでいく一方であり、これらの変化に対応していく必要がある

1.リアルからデジタルへ:メタバース、サブスクリプション、デジタルファッションが存在感を増していく
2.ビジネスからウェルネスへ:ビジネスウェアのカジュアル化が進み、ウェルネス・ライフスタイルへファッションが拡張
3.ローカルからグローバルへ:国内アパレル市場に限界がある中で、海外に成長機会を求める必要
4.ファストファッションからサステナブルファッションへ:アパレル産業の環境負荷が高い中、消費者の間でもサステナビリティがKBFの一つに
5.トレンドからコンテクストへ:トレンドだけで消費を喚起することは難しくなり、ブランドの普遍性や意味・コンテクストが重要に

図2:アパレル市場の5つの重要トレンド

勝ち残りに向けて、求められるアパレル経営とは
現在は20世紀の根幹をなした資本主義と民主主義という2大イデオロギーが再構築を迫られる“時代の端境期”にあり、グローバルに低成長時代を迎えつつある中で、アパレル業界も抜本的な変化を求められていくと認識すべきである。

特に、今後アパレル業界で起きる3つの変化、「①マテリアルイノベーション」、「②デジタルトランスフォーメーション」、「③サービスイノベーション」を“脅威”ではなく“機会”として捉え、ビジネスモデルを変革していくことが勝ち残りに向けた鍵。

そのうえで業界全体としては“サーキュラーエコノミー”の実現に向け官民合わせた協調を加速化し、個々のアパレル企業は次のAからFの要諦を抑えた経営をすることが必要である。

A)ファストファッションからの脱却
B)ビジネスモデル改革
C)カーボンニュートラルに向けた継続的な取組
D)社会課題とブランドストーリーの接続
E)ESG対応
F)KPI改革

なお、本スタディはサマリー版のみ一般公開となります。詳細版については、クライアント企業様など一部の方への限定公開となるため、別途お問合せ下さい。

※本スタディサマリー版はこちらよりご覧ください

 

ローランド・ベルガーについて
Roland Bergerは、1967年に設立された、ドイツの伝統とヨーロッパを起源とする唯一のグローバルコンサルティング会社です。世界35カ国に2,700名の従業員を擁し、主要各国でコンサルティングサービスを提供しています。世界51カ所あるオフィスは、世界の主要なビジネスハブに位置しています。また、約300人のパートナーによる独立したパートナーシップ制により経営・運営されています。

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株式会社ローランド・ベルガー
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