代表取締役/シニア パートナー

大橋 譲

誰よりも先に提案し実行する

世の中のプロフェッショナルな仕事と言うと、医師や弁護士などある特定の分野の専門職というイメージがあります。ただ、元はと言うと「プロフェッショナル」という言葉は、「pro(前に・先に)」+「fess(言う)」という語源から来ています。そして、世界最古のプロフェッショナル職は「聖職者」とも言われています。彼らは、農業という産業を開拓し、時に市民の盾となって戦い、影の立役者として古代の歴史を切り開きました。

これまで誰も考えなかったことを提案する。誰もできなかったことを実行する。これが真のプロフェッショナルだとすると、ローランド・ベルガーでの戦略コンサルティングは、まさに「経営のプロフェッショナル」でなければならないと思います。

何度も壊して作り直すアントレプレナーシップ

我々は、教科書をつくりません。まだルールや前例がないことに、チャレンジし続けたいからです。一度自分で構築したものを壊してまた一から考え直すことも多々あります。ローランド・ベルガーでは、それを苦に思わないほどの「アントレプレナーシップ」が求められます。

コンサルティング会社によってはコンサルティングを機械的な業務として捉え、テンプレートや前例を当てはめればいいという考え方で運営される企業もあります。しかし、我々のクライアントの多くは過去数十年、場合によっては100年を超える歴史の中で活動してきた、生きている組織であり、経営課題の傾向は似ていても根本は異なります。一社一社のクライアントごとの課題や未来と向き合い、常に一歩先のソリューションを考え続ける。それこそが、経営のプロフェッショナルのなすべきことだと思います。

いつかは全員が個人事業主に

産業の垣根がなくなり、変化のスピードが加速していく現代では、クライアントの課題解決も一筋縄には行きません。そのためには、ひとりひとりが、プロフェッショナルな領域を持って、その能力や知見を高めていくことが必要だと考えます。

ですから、ローランド・ベルガーでは、コンサルティング経験がなくとも、特定の領域で活躍してきた方々を積極的に採用しています。そして、一定の役職以上の方には、その領域を極めていくための副業や社外活動を奨励しています。建築家であれば、建築の仕事も続けてほしいですし、医師であれば医療の仕事を続けていただきたい。経営コンサルタントとしての能力に加え、それぞれが持つほかのプロフェッショナル領域を「掛け算」することでクライアントに対して一歩先の解決策を提示できるようになると考えています。

究極的には、コンサルタント全員が複数のプロフェッショナル領域を持ち、それぞれがコラボ、つまり「掛け算」的に協力しあうことでより大きな経営課題の解決に常にチャレンジしている状態を目指しています。ローランド・ベルガーはこのようなプロフェショナルの成長と協業を支援するプラットフォームであるようなイメージです。そういった強い個人が集まって、会社全体としてマルチタレントな状態になっていることが理想です。

多様な企業と連携して本質的な課題解決を

また我々は、企業単位でも「多様性」を尊重した掛け算の連携を進めています。ローランド・ベルガーのグローバルでは「Terra Numerata」と呼ばれる連携ネットワークを構築しており、世界中で約300社の様々な企業が登録しています。

日本では、それをローカライズし「価値共創ネットワーク」という形で多様な強みを持ったプロフェッショナルな企業との連携を進めています。ここでも、明確な契約や規律などがあるわけではなく、自由度高く柔軟に協業しています。クライアントの課題解決のために価値になるかどうか、それを追求することだけが本質だと考えています。

形式的なルールや固定概念に縛られることなく、常に本質を見つめ、クライアントや社会全体のために、個性を活かしながら一丸となって取り組む。そんなプロフェッショナル精神を持つ人にとって、ローランド・ベルガーは、これ以上にない活躍のフィールドだと思います。