共著:下村健一 バンコクオフィス
【飛躍20号】
新型コロナウィルスが猛威を振るい、外出自粛を余儀なくされた期間、世界各地で食品Eコマースが伸長した。実際、東南アジアでもシンガポールのネットスーパーであるRed Martはこの期間中、食品Eコマース売上が急拡大。ある食品カテゴリーでは従来の10倍の売上に至ったという。これは一過性のものなのか、または食品Eコマースがいよいよ市民権を得るということなのか。
伝統的小売と呼ばれる零細商店、未成熟なディストリビューター、そしてリープフロッグ的に進展したライドヘイリングなど、ASEANには食品Eコマースを特殊なかたちで進化させるファクターが複数存在する。本稿では、ASEANの食品Eコマースが取り得る可能性について論じる。