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【視点105】 Industry 4.0 ~10年後を見据えた発展途上の取り組み

ローランドベルガー

長島 聡

21世紀に入ると、日本と同様に欧州でも産業の空洞化が叫ばれてきた。

新興国の低価格攻勢、性能・スペックの急速なキャッチアップにより、先進国の製造業は徐々に劣勢を強いられた。
そうした中、北米では生産性向上を実現したイノベーションで、日本では地道な改善の積み重ねで、産業の空洞化に立ち向かってきた。

一方、ドイツでは2000年代後半から政府主導で、産官学が集い、業界横断的な製造業の革命に取り組んだ。
こうした取り組みが「Industry 4.0」と呼ばれるようになったのは、弊社ローランド・ベルガーを含む調査期間がドイツ政府やこれらの業界団体向けの報告書にまとめたことがきっかけである。

本稿では、Industry 4.0が目指すものと先進企業の取組みを解説すると共に、日本企業の進むべき道を考察する。

1) 異次元の見える化
サプライチェーンの隅々、自社・パートナーの連携/空きリソース、将来ニーズ

2) 圧倒的な機動力
非効率の撲滅、自前に拘らないリソース設計、将来ニーズの織込

3) 顧客起点の追及
全社一丸となってお客様に寄り添い付加価値を創出