最近、「破壊的な」という意味の「ディスラプティブ(Disruptive)」という言葉を耳にする機会が増えてきた。自動車産業におけるDisruptiveな革新が、今後10から15年の間に訪れると言われている。それは車両技術の発展にとどまらず、新たなサービスが出現し、生活者の移動のあり方やクルマの持ち方、関わり方までが変化する・・・プレイヤーや業界構造を根幹から変える、劇的な革新が予想されている。
革新がいつどこでどのように起こるのか。企業はどう備え、先手を打つべきか。不確実性が高い中、ローランド・ベルガーは主要な25の指標をグローバル主要国で定点観測し、革新の兆候を先んじてとらえるための取組みを始めた。今回、第一回の観測により浮かび上がったのは、欧州・米国を含めたグローバル各国の中でも革新性を持つシンガポールの存在であった。
本稿では第一章でメガトレンドについて解説をした上で、第二章で定点観測の概要とその結果、第三章でシンガポールの革新性・ポテンシャルについて論じたい。